ストーリー
かつて、日本の自然には“蟲”が棲んでいた。ほとんどの人間には姿が見えない、原初の生命体“蟲”が…。動物でも、植物でもない不可思議な生命体“蟲”。かつてこの国には、実体はあっても、一般には目に見えない“蟲”を見ることができ、それらが引き起こす人智を超えた現象を解き明かす「蟲師」と呼ばれる者たちがいた…。これは、白髪で片目の蟲師、ギンコの物語りである。声なき声に耳をすます。姿なき姿に瞳をこらす。存在なき存在に心で問いかける。現代に生きる私たちが忘れかけながらも、潜在的には必ず備わっている「もうひとつ先の感覚」が、いま、よみがえる。
予告編
蟲師 予告編 再生する
レビュー
Reviewed By 南野望里子
大友克洋が16年ぶりに手がけた実写映画は、“和”のファンタジー。「AKIRA」などで切り開いた、極端に細部にまで描きつくすタッチは、実写でも貫き通されている。人間の体の隅々まで埋め尽くす“蟲”たち。そのおどろおどろしさと、日本古来の美しさが絶妙のハーモニーを生み出す。オダギリジョーの蟲師っぷりも見事。銀髪と地下足袋をこれほどカッコよく着こなせる人もいないだろう。文芸作品からCG全開の時代劇ファンタジーまで、変幻自在にはまり込める独特の存在感は、日本の映画界には貴重な存在だ。

